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データサイエンティストが活躍する領域の一つに医療業界があると思うので、まとめる。
今後の市場の成長性という意味でも重要なのだが、どちらかというと日本の成長性という意味で非常に重要なことだと思う。
必要性がある業界は自然と伸びる。ので、データサイエンティストのキャリアとしてもいいと思う、というロジック。
中々、普段生活していると病院には行っても医療業界には目を向けない。最近医療業界DX、データ活用を多く目にする機会が増えたので、持論をまとめていきたい。
では、本題に。
日本の医療は素晴らしい
まず、そもそも論として日本の医療は素晴らしいということ。予測DX研究所から引用した表が下記だ。
医者の数、看護師の数、病床数、あらゆる観点で世界トップクラスだ。その一方医療費支出は非常に少ない。
つまり、ものすごく安価に高品質の医療を受けられているということだ。
その結果、年間診療回数、平均入院回数は世界と比較して非常に多い。
日本に住んでいては気づかないが、日本の医療はものすごく優れており、めちゃめちゃ幸せなことである。
という前提で日本はシステムも含めて考えると、医療がものすごく進んでいる国ともいえる。
医療業界において日本は競争力が高い市場
昨今、さまざまな分野で世界に後れを取る日本だが、医療業界においては競争力がある市場だと思う。
理由として、前述した医療の先進性に加えて、「高齢者の割合」がある。
この図からわかるように日本は世界有数の高齢社大国だ。あらゆる先進国と比べて、非常に高齢社の割合が多い。
一般的には、高齢になればなるほど、医療が必要となることが多い。
医療体制がしっかりしているからこそ高齢者が多い構造になるのだと思っており、日本の医療の大きな成果である。
医療業界のデータ活用はものすごくメリットがある
医療業界のデータ活用のメリットは大きく下記の2点があると現時点では学んでいる。
- 個人への還元
- 社会への還元
下記は最近発表された国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が発表したレポート。
こちらで述べられていることを参考にしている。
個人への還元
これは、個々の個別の症状に応じて適切な医療を受けられるようになるというメリット。過去の同様の症状・体質を基に自身に合ったパーソナライズをした医療が受けられる。
個々個別でパーソナライズされた医療が受けられることは非常にメリットだ。
現状服用している薬、体質、過去の病歴などを鑑みて、最適な医療が受けられるように医療技術が進めば、さらなる医療の高度化が実現され、多くの人が豊かな生活を送ることができる。
現在は問診票ベースで実施したり、お薬手帳のようなもので管理しているのが一般的だと思うのだが、電子化されて共有できれば非常に精度が高く高品質な医療が提供できる。
過去の医療データを活用して、より個人に合った医療が提供できるようになるという点だ。
社会への還元
これは、過去のデータを参照して、新たな知見を発見して、未来の医療に活かしていくことを意味する。
あらゆる事例を集めて、帰納的に重要な知見を得られるようになる。
がんに対する治療法など、人類を苦しめている病に対して、重要な知見を得て治療方法を見出すことで、豊かに生活できる人材が増える。
新たな治療方法や新たな薬品の開発など研究に過去のデータを活かして、将来的な医療の発展に寄与するという話。
医療業界のデータ活用の課題は大きい
医療業界のデータ活用は下記の観点で多く課題が残っている現状。
- 組織の課題
- 人材の課題
- システムの課題
- データの課題
- 業務プロセスの課題
組織の課題
データサイエンスの重要性や利益に関する認識不足
経営層や組織のリーダーがデータサイエンスの重要性やビジネスへの価値を理解していない場合、データサイエンスへの投資や推進が不十分となることがある。
サイロ化された組織文化
医療業界では、異なる部門間の情報共有や連携が難しい場合がある。データサイエンスを推進するためには、組織全体での協力や文化の変革が必要。
人材の課題
スキルと専門知識の不足
データサイエンスに関するスキルや知識を持つ専門家の不足が課題となっている。
医療業界においては、データサイエンスの専門家やデータ解析の経験を持つ医療従事者の数が限られている。
インセンティブや報酬体系の不適切さ
データサイエンスの専門家やデータ解析に携わる医療従事者に対する適切なインセンティブや報酬体系が整備されていない場合、その領域における人材の集約や育成が困難となる。
システムの課題
データのフラグメンテーションと相互運用性の問題
医療業界では、さまざまなシステムやデータベースが使用されており、それらのデータのフラグメンテーションと相互運用性の問題が存在する。
インフラストラクチャとデータセキュリティの制約
医療データは個人情報や機密性の高い情報を含んでいるため、データの保護とセキュリティの確保が重要。
しかし、データサイエンスの推進には適切なデータインフラストラクチャやセキュリティ対策が必要となる。
特に、クラウドコンピューティングやデータの共有が規制や法的制約によって制限されることがある。
データの課題
データの品質と信頼性の問題
医療データは異なるソースから収集されるため、品質や信頼性のばらつきが生じることがある。
データの欠損、エラーや不整合、記録の一貫性の欠如などが問題となり、これらを解決するためにデータクレンジングや品質管理の手法が必要。
データの規模と複雑性
医療データは非常に大規模で複雑な場合がある。
たくさんの患者や病院、さまざまな診療情報や検査結果、医療画像などが含まれるため、これらのデータを統合し分析する際にはデータのスケーリングや処理の課題が生じる。
業務プロセスの課題
データの活用と意思決定の遅れ
医療業界では伝統的な業務プロセスが根強く残っているため、データの活用やデータに基づく意思決定までのプロセスが遅れることがある。
データの収集から分析、報告、実際の臨床への展開までの時間がかかることがあり、迅速な改善や効果的な介入の実施が妨げられる場合がある。
法整備は進んできている
法整備は徐々に進んできている。
個人の医療データを本人の同意なく第三者に提供できる範囲を広げる新たな制度が新たに導入検討され、医療データの活用を進められるように法律が整備されている。
もちろん、これだけで大きく医療業界のデータ活用が進むわけではないが、少しづつ前進している。
このような法整備が進むと徐々に市場としても認識されて徐々にデータサイエンティスト達も市場に参入してくるのではないか。
今後の医療業界のデータ活用フェーズ
今後の医療業界のデータ活用フェーズについて、考えてみる。データサイエンティストが参入するためのSTEPという目線でまとめる。
筆者は医療業界についてはあまり明るくなく、ほぼなにも知らないという前提であるので、どのような障壁があるかなどは正直あまりわかっていない。
が、データサイエンティストとして組織課題を解決してきた経験値を持って、このように進んでいくのではという予測を書いてみる。
まず、「組織の課題」「法律上の課題」を解決するのはデータサイエンティストは非常に難しい。そのため、この領域はスコープ外として考える。
下記の順序で課題の解決が行われるのではないかと思う。
- システム課題の解決
- データ課題の解決
- 人材課題の解決
システム課題の解決
まずは、システム課題の解決が先決。そもそもデータがなければデータ分析もくそもない。
どの企業でもデータ活用を進めるにはまずは、システムの課題に取り組む必要がある。あらゆるシステムに存在しているデータを一つの場所に集約して、管理することが必要だ。
企業のシステムだとクラウドのデータウェアハウスにぶち込んでしまうことが一般的である。
しかし、医療業界ではそもそも電子カルテなどの導入が徐々に進み始めたところだと理解している。まだまだ普及率が低く、手書きベースの医療情報も多いのでは。
そのため、まずはデータを電子化することか重要である。
そしてそのデータをどこに格納するかは重要な問題だ。プライバシーやセキュリティ面でも丁重に扱う必要があるし、その環境を誰が管理するのかという問題に直面するのではと思う。
国全体で管理すべきなのか、自治体レベルで管理すべきなのか、という課題が起きているのかわからないがそのような課題があるのではと思案する。
ここは個人的にはもう少し知りたい領域である。
この領域ではエンジニア型のデータサイエンティストが活躍する領域であり、さまざまな要を基にデータ活用の基盤に落とし込む必要が出てくる。
データ課題の解決
システムが構築されれば、データは一定活用できる形で収集される。
前述した通り、データをどこにどのような形でおくべきかは重要な観点であるが、データが活用できる形になれば、十二分に市場としては認識される。
そして、データが集まり始めるとデータ分析をする人材が必要となってくる。
そこで、実際にデータを分析するデータサイエンティストの需要が増してくる。
ここらのフェーズになるとサイエンス型データサイエンティストが活躍する機会が増えてくるのではないかと思う。
少ないデータの中で価値を最大化するような分析のプロフェッショナルが求められる。
人材の課題
データが活用され始めると人材が一気に集まってくる。
しかし、医療業界ではそこまで単純な話ではないのではないかと思う。
ドメイン知識が深く、参入障壁が高い領域なのであるからだ。
現に自身もどのような分析がされるのかどのような分析技術が重要なのかはわからないし、医療業界の知識が必要なのではないかと思う。
ただ、データサイエンティストとして最も社会貢献性が高い領域なのではないかと思う。
データサイエンティストが現時点で多く活躍しているのはマーケティング領域や製造業の領域ではないかと考えている。
そのような領域より、医療業界は人の命に直結するデータ分析領域であり、非常に社会的な貢献は感じられる領域なのではないかと魅力を感じている。
データサイエンティストとして、いまからこの医療業界に身を置いて先駆者として活躍できるようにキャリアを作るのは一つの選択肢であろう。
【まとめ】医療業界に身をおく選択肢はめっちゃあり
医療業界のデータ活用はもっと日本として進めていくべきであり、世界的にも競争力が高い領域である。
また、社会貢献性も非常に高く、やりがい面では抜群だ。
しかし、まだまだデータ活用までの課題は多く、道のりは長い。
だからこそ、データサイエンティストとしていまから医療業界に身を置くことで、将来的に魅力的なキャリアを築くことができるのではないかと思う。
データサイエンティストとして医療業界に身を置いて他者との差別化を図ってキャリアを作っていくのは「めっちゃあり」だと思う。
「オススメ」とまで言い切らないのは筆者が医療業界について実情を知らないからだ。
もう少し筆者としても勉強をしたいと思った。
今回は以上です。。