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こんにちは、ぬるったんです。
今回は様々な方の相談を受けている中で、よく説明することについて解説していきます。
開発系のデータサイエンティストと意思決定系のデータサイエンティストは違うということです。
データサイエンティストと一重に言っても、意味合いはそれぞれの企業で異なります。その点で顕著な部分について言及していきたいと思います。
データサイエンティストはあいまいな職業
データサイエンティストという職業は非常にあいまいです。
それは、「各企業が求めているデータ人材」をなにこれ構わず「データサイエンティスト」と呼んでいることが多々あるからです。
データサイエンティストに必要なスキルとして、ビジネススキル、サイエンススキル、エンジニアリングスキル、など様々ある、と評されることも多いですが、実際は各企業が求めているポジションによって、必要となるスキルは大きく異なります。
例えば、Pythonが書けて、データを抽出して、ビジネスの意思決定をするポジション。これは、ビジネス寄りのポジションでデータアナリストと呼ばれることもあります。
ただし、データアナリストと呼ぶか、データサイエンティストと呼ぶかは各企業が定義するものであり、実態はその企業に聞いてみなければわかりません。
または、機械学習をシステムに組み込むことを期待されるポジション、これもまたデータサイエンティストと呼ばれることがあります。
このポジションはどちらかというとエンジニアポジションに寄っており、「機械学習エンジニア」と呼ばれたりします。
このように、データサイエンティストとは企業がそう呼んでいるだけなので、実態として明確な定義はなく、「データを活用するために必要な人材」ぐらいでしかない、というのが現状です。
だからこそ、データサイエンティストのキャリアに悩む人も多く、色んな相談を私自身、受けさせて頂いています。
ここで、大きくスキルが変わってくるのが、「開発系」か「意思決定系」かという点です。
開発系のデータサイエンティスト
開発系のデータサイエンティストはデータサイエンス能力に強い期待値が求められます。
ここでいう開発と言っているのは、製造業の製品開発、化学メーカーの研究開発、などを指します。
このような方々は、「とある物理的な現象」に向き合っていることが特徴です。
例えば、画像認識による故障検知、音声認識による評価の高度化、化学薬品の成分パターンの類推、などといった取り組みがよく聞かれます。
これは物理的な現象に向き合っており、物理的なデータからいかに傾向を見出して、開発に活用するか?という点が大きなテーマになります。
このような開発系のデータサイエンティストはデータサイエンス能力が求められます。
データを活用して、いかに効率よく開発を進めることができるか?という点ではそのデータが持つ意味を理解して、個別事象にチューニングしたアルゴリズムを作るなど、モデルのアルゴリズムの構築が必要です。
後述する「意思決定系」とは異なり、データ分析の説明力<モデル精度となるので、いかにモデルの精度をあげられるか?という点が強く期待されるポイントです。
意思決定系のデータサイエンティスト
意思決定に携わる系のデータサイエンティストはビジネス力が強く求められる傾向があります。
実際に、データ分析の結果をもって意思決定を仰いだり、組織自体を動かすような能力が求められることから、ストーリーテリングする力やコミュニケーション能力が重視されることが多いです。
このような役割では、企業によりますが、データ分析の厳密性はそこまで強く求められないことも多々あるというのが、実情です。
開発系のデータサイエンティストからすると、正しい分析ができておらず、にわかデータサイエンティストである、という意見もよく出て衝突するシーンはよく見ます。
ただし、
- 有意差がないから、分析の結果、なにもわかりません
- 正しい分析をするために、属性の交絡調整をするた、1~2週間かかります
などという理論が先行するデータサイエンティストは意思決定を促進する役割をビジネス側は求めていないことも多々あります。
- 大枠の傾向が「早く」わかるデータ分析
- 意思決定の速度を損なわず、精度が粗いデータ分析
が求められることも多々あります。
もちろん、間違った分析はいけませんが、「完璧ではないものの、早く、大きな間違いはなさそうな分析」が求められる場合も多いです。
この分析の使い分けは「意思決定に求められる要件」に依存するので、ビジネス現場ではデータ分析のSLAを使い分ける必要があります。
意思決定の精度が重視される場合は時間をかけて分析する必要があります。
一方、意思決定の速度が重視される場合は、大きな間違いがなく、クイックな分析が必要です。
日々、一生懸命学習をしているデータサイエンティストであれば、あるほどこの使い分けに抵抗を覚えるのも事実です。
ただ、データサイエンティストはビジネスを動かして価値が出せる職業であるので、分析を使い分けて意思決定を推進していくことが重要です。
そのためには、分析の結果を基に人を動かすコミュニケーション能力などは必ず求められます。
このように、開発系のデータサイエンティストとは求められるものが大きく異なり、重視されるポイントも変わるというのが、データサイエンティストによく言われるギャップなのではないかと考えています。
私は後者です
ちなみに私は後者のタイプです。
だから、コンサルティングスキルが重要である、という発信軸でデータサイエンティストのキャリアを発信しています。
データサイエンティストの中には、それなりに抵抗がある方もいると思いますし、いまご覧になられている方のように強く共感頂いている方も多いです。
ただ、これはフィールドの違いであり、どちらも正しいことを言っていると思っています。
それほどデータサイエンティストという職業に対する期待値は各社で様々であるということです。
キャリアを考えるときに重要な視点
開発系のデータサイエンティストはKaggleのような高度な分析力を示すことが重要です。
モデル構築能力に期待値があるからです。Kaggleでメダルを取って、技術力をアピールすることは有用な手段の一つです。
一方で、意思決定系のデータサイエンティストはコンサル経験が重要であり、データ分析でビジネスをどれだけ動かせたか?という「経験」が重要です。
今回は、自身の経験が色濃く映りやすい、こちらを深く言及します。
高度なアルゴリズムを活用しても、ビジネスの意思決定者には中々理解が難しい分析になってしまいます。
だからこそ、シンプルでメッセージ性が高いデータ分析を好み、報告のストーリーにも気を使います。
そのため、実務の中でスキルを身に付け、経験値を付けていくことが大事です。
勉強だけしているデータサイエンティストは中々市場価値が上がらないと思いますし、スキルだけが蓄積しても実務経験が弱いと、採用する気にもなれません。
意思決定系のデータサイエンティストはビジネスを動かしてなんぼなので、データ分析で意思決定者、組織を動かす経験を持つことが重要だと考えています。
そのためには、環境が大事で、データ分析を活用する意思のある組織で働く必要があるな、と感じます。
私の会社でもビジネス目線がなく、データ分析を受動的に実施してきた経歴書の方は、分析スキルが高くても、書類で落とします。
つまり、経験値を見ています。分析スキルは重視していません。
ビジネス目線で考えられる素養があるか?を重視し、分析スキルは後からキャッチアップして身に付けてもらえればいいと考えています。
ビジネス目線で考えられる能力はやや先天性的な側面があるように思う一方で、分析スキルなどは後天的にも一定身に付けられる能力であるとおもいます。
だからこそ、意思決定系のデータサイエンティストは「経験を磨ける環境」に身を置くことがなによりもキャリアアップにつなげる道なのだと思います。
自身の経験を振り返ってまとめた一記事でした。
今回は以上です、ありがとうございました。