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【本題】
マーケティング領域に関わるデータサイエンティストが必ず読むべき必読書を紹介します。
今回はこちらです。
本書ではUSJのV字回復を実現した著者による、数学的なマーケティング理論が事細かに書かれている書籍です。
データサイエンティストとして、深く事業領域の理解をした上で、数字を扱う重要性を実感できます。
データサイエンティストが事業を深めずに、機械学習で予測することの浅はかさに気づかされる一冊です。
マーケティングという領域が複雑でもある一方、一つのモデルで需要予測を実施できることが理解できます。
マーケティングに関わるデータサイエンティストであれば一度は読んでおきたい書籍です。
データサイエンティストとして、あるべき姿が少し想像でき、自身としてはマーケティングに向き合うきっかけの一つになりました。
USJのV字回復をした経験談も含めて書かれており、非常にヒリヒリした雰囲気も伝わっている中での描写となっており、読み物としてもシンプルに面白いです。
一部、理論的な数式は理解できませんでしたが、それを抜きにしても読むべきだと思ったので、紹介します。
関連記事は下記らへんが該当しますので、ご参考にぜひご覧ください。
では、本題に移ります。
本書の概要
本書の概要は、マーケティングのスペシャリストである筆者たち(二人)がUSJのV字回復にいかに確率的な根拠から意思決定をしてきたかが、詳細に記載されている書籍です。
特に市場調査や過去のデータから需要を予測して、成功確率を数値化した上で意思決定に活用しているプロセスに感服します。
本書曰く異なる性質の二人が互いの方法でデータ分析して、答え合わせをして、勝ち見込みを確信するプロセスなど、非常にデータサイエンティストとして興味深い内容が多々あります。
データサイエンティストとして事業理解が浅いとここまではいけません。事業領域への深い理解・経験が極めて重要であることを気づかされる一冊です。
個人的には非常にオススメの一冊であり、マーケティングに関わるデータサイエンティストはまずは一読することを強くおすすめしたいと思い、本記事を執筆しました。
事業に活用できるデータ分析を知れる
データ分析をすること自体は簡単です。
しかし、事業に活用できるデータ分析をすることは難しいです。
本書では、マーケティングという事業に対してどのようにデータを活用するべきか知ることができます。
そして、マーケティングという領域においてデータ活用の重要性が理解できます。
マーケティングに関わるデータサイエンティストとして、目指す姿が見え、現状値との差分を大きく感じさせられる一冊です。
さらに、USJのV字回復というヒリヒリした現場の状況も含めて描写されているため、緊迫した中でのデータ活用であり、少しでも事業を成功させる確率を上げるためにデータに頼っている事例も含めて学ぶことができます。
マーケターが数学をデータ活用していることがポイント
本書では、筆者たちが数学をどのように活用してマーケティングを実施しているかが書かれています。
重要なポイントはデータサイエンティストがマーケティングを分析している訳ではなく、マーケターがデータ活用をしていることです。
ここがとても重要であり、注目すべきポイントです。
データサイエンティストが分析担当としている訳ではなく、マーケティングに精通したマーケターがデータを活用しています。
これは、事業ドメインを深く理解できていないデータ分析官がデータ活用するのか、事業ドメインを深く理解している人間がデータ活用するのか、の大きな違いがあります。
下記のようなイメージです。
見えている情報量が違い、様々な観点でデータを活用することができます。
この見えている範囲の違いでデータ活用の有用性が大きく変わることが実感できます。
データサイエンティストがいかに小さな世界で分析を行っており、いかに限られた領域で分析しているのかを痛感しました。
データサイエンティストはロジックに頼りがち
データサイエンティストは豊富な統計知識・高度なアルゴリズムの知識を持っています。
それが武器であり、強みでもあります。
しかし、これが時にはデータ活用を妨げる要因の一つになります。
本書では需要予測のやり方が書かれているが、データサイエンティストが考えるアプローチとは大きく異なります。
下記のようなイメージで筆者は差を痛感しました。
データサイエンティストであれば、一番最初に出てくる考え方が機械学習での需要予測です。
過去のデータを用いて、機械学習でその名の通り、機械的に予測を実施しようとします。
しかし、マーケターのアプローチは顧客のプリファレンス(好意度)から需要を予測するとのことです。
ここに大きな差分があります。
事業に活用するために顧客データ(生きたデータ)を見ているかか、過去のデータ(死んだデータ)を見ているかに大きな違いがあります。
マーケターは未来を視て、打ち手を考えます。
そのためには顧客の活きたデータを見ることを重視するのだと理解しました。(もちろん、過去のデータを見つくした上で)
データサイエンティストとして見ている領域が狭ければ、データが豊富な過去のデータに主眼をおいてしまうものです。
この主眼の置き方の違いに気づきを得て、自分の中でデータサイエンティストはロジックに頼りすぎという結論に至りました。
データサイエンティストは事業に向き合うべき
一方で、過去のデータを参考にして事業戦略を立てていることが強く書かれている部分もあります。
USJの例でいくと、どのような時期に伸びしろがあるのかという観点で検討しています。
結論、USJの例では10月のハロウィンに至り、ハロウィンでの集客がV字回復の一つにもつながりました。
この事例では過去のデータを強くみています。しかし、データサイエンティストの視点とは異なる視点で見ていることがわかります。
つまり、データに向き合っているか、事業に向き合っているかで大きく視点も変わり事業活用できるかが大きく異なるということです。
データサイエンティストの価値は事業貢献してようやく発揮されます。
事業貢献するにはデータだけでなく、事業に向き合って日々思考することが大切です。
データサイエンティストの価値の出し方を見直せる
本書を読むと事業に向き合ってデータサイエンティストの価値の出し方を見直す、いいきっかけになる書籍です。
データサイエンティストは幅広い領域を見た上で、データ分析を行う必要があります。
もっと自身の視野を広げて、事業の観点から分析・提言ができないといけません。
データサイエンティストはデータ分析することに価値がある訳ではなく、データを活用することに価値があるということです。
そのためには、多くの知識や広い視野・高い視点を持つことが重要であり、データ分析スキルと同等なくらい重要です。
いま一度データサイエンティストの価値の出し方を見直して、日々のインプットを見直すべきだということが実感できた書籍です。
データサイエンティストの価値の本質はいかに事業に寄り添った「パートナー」になるかどうかです。
分析官として見られている内はまだまだであり、「パートナー」として見られることでようやくデータサイエンティストの価値が最大化されます。
それが、データサイエンティストの価値の本質なのだと思わされる一冊でした。
ぜひ、ご興味があるからは一度手に取ってみることをおすすめします。
今回は以上です。